かつての制作者へ想いを馳せて
かつては多様な種類が制作されていた奈良の鹿張り子も、郷土玩具を取り巻く状況の中、制作する手がほとんどなくなってしまいました。手を失った張り子の木型は、奈良県立民俗博物館に資料として所蔵されており、また、その木型を使用して制作された張り子も残っていませんでした。
そこで、3Dスキャン/プリント技術を活用して、かつて制作されていたであろう張り子を復元しました。当時の張り子のことを考えながら行った絵付けによって、とてもクラシックな仕上がりとなりました。
時代を超えて、人の手から手へと旅をすることができる郷土玩具の新たな一面かもしれません。
張り子 2017年制作